人生の節目に活かしたい「吉日」と「暦注」の基礎知識

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人生の節目に活かしたい「吉日」と「暦注」の基礎知識

人生の中で訪れるさまざまな節目——結婚、出産、引越し、開業、契約など、大切な出来事には「良い日」を選びたいと思うものです。日本では古くから暦に基づき、「吉日(きちじつ)」と呼ばれる縁起の良い日を選ぶ文化が根付いてきました。この記事では、「吉日」やそれに関連する「暦注(れきちゅう)」、さらに日取りを選ぶ上で知っておきたい「十干十二支」や「上中下段」の意味について、より詳しく丁寧にご紹介していきます。


吉日とは?

吉日とは、その名の通り「縁起が良いとされる日」を意味し、何か新しいことを始めるのに適している日とされています。日本のカレンダーでは、「六曜(ろくよう)」や「選日(せんじつ)」、「干支」など複数の要素によって、その日の吉凶が記されています。たとえば、大安や天赦日などは特に有名で、結婚式や開業日などによく選ばれます。

「吉日」の考え方は、必ずしも科学的なものではありませんが、人生の節目に「良いタイミングで物事を始めたい」という人々の願いが込められており、現在でも多くの人々に支持されています。


六曜(ろくよう)について

六曜とは、1日ごとの吉凶を示す6種類の暦注のことで、以下のような種類があります。

六曜読み方意味・特徴適した行動
大安たいあん最も縁起が良い日結婚、開業、引越しなど全般に吉
友引ともびき友を引く=慶事には吉、葬儀は避ける結婚、祝い事には吉、葬儀は凶
先勝せんしょう午前が吉、午後が凶午前中の行動に適す
先負せんぶ午前が凶、午後が吉午後からの行動に良い
赤口しゃっこう凶日。ただし正午は吉用事は正午に行うとよい
仏滅ぶつめつ凶日とされ、特に婚礼は避けられる葬儀などには問題なし

六曜は特に、冠婚葬祭の日取りを決める際に重視されてきました。例えば、結婚式は「大安」に、葬儀は「友引」を避けて行う、といった風習が今でも根強く残っています。

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十干十二支(干支)とは?

「干支(えと)」と聞くと、十二支(ね・うし・とら…)を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたものです。古代中国から伝わり、日本でも暦や方位術などに用いられてきました。

十干(じっかん)について

十干は自然界の五行(木・火・土・金・水)と陰陽を組み合わせた10の要素で、次のようになります:

漢字読み五行陰陽意味・性質
こう/きのえ始まり、真っ直ぐな力
おつ/きのと柔らかい草、しなやかさ
へい/ひのえ太陽、明るさ、情熱
てい/ひのと火種、内面の熱さ
ぼ/つちのえ山、大地、堅実さ
き/つちのと畑、育成、粘り強さ
こう/かのえ鉄、改革、強さ
しん/かのと宝石、冷静、切れ味
じん/みずのえ海、大河、包容力
き/みずのと雨、しずく、繊細さ

十二支(じゅうにし)について

十二支は、もともと方角や時間、月や年などを示すために使われていた12の記号です。それぞれに動物が当てられ、日本の干支文化の中で広まりました。

漢字読み動物五行時間帯
23時〜1時
うし1時〜3時
とら3時〜5時
5時〜7時
たつ7時〜9時
9時〜11時
うま11時〜13時
ひつじ13時〜15時
さる15時〜17時
とり17時〜19時
いぬ19時〜21時
21時〜23時

この十干と十二支を組み合わせて「甲子(きのえね)」に始まり「癸亥(みずのとい)」までの60通りの干支(かんし)ができ、これを「六十干支(ろくじっかんし)」と呼びます。60年で一巡することから、「還暦」は元の干支に戻る節目とされています。


暦注:上段・中段・下段とは

古来の暦には、1日を三段階に分けて吉凶を判断する「暦注(れきちゅう)」の仕組みがあります。「上段」「中段」「下段」と呼ばれ、それぞれが異なる観点から日取りの運勢を示します。

上段:十二直(じゅうにちょく)

「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12種類があり、物事に対する吉凶が定められています。

十二直読み方意味・吉凶
たつ万事に吉。婚姻・開業に◎
のぞく障害を取り除くのに良い日。病気治療などに吉
みつ物事が満ちる日。全般に吉
たいら平穏で無事に進む日。吉日
さだん方針決定、契約に吉
とる行動開始に吉。祝い事にも◎
やぶる争いや破壊の象徴。婚礼・契約には凶
あやぶ危険を伴う日。登山・旅行など注意
なる物事が成就する日。結婚や学びに良い
おさめ収納・納品・取引に良い日
ひらく開業・新規事業に吉
とづ終わりを締めくくるのに吉、始めるには凶

中段:日々の性質(例:大明日、神吉日)

中段では、その日の性質や向き不向きを表すキーワードが記載されます。

  • 大明日(だいみょうにち):太陽の恩恵が届く日で、特に建築や移転などに吉
  • 神吉日(かみよしにち):神事や参拝に良い日とされ、神社へのお参りに最適
  • 母倉日(ぼそうにち):結婚や入籍など、家庭を築くのに向いた日
  • 凶会日(くえにち):凶事が起こりやすいとされる日で、避けることが無難
  • 受死日(じゅしにち):とくに忌むべき大凶日。仏事も避けるとされる

下段:選日と特殊日

下段では「一粒万倍日」や「天赦日」など、特別な意味を持つ日が記されます。

名称意味
一粒万倍日一粒のモミが万倍に増える日。小さな行動が大きな結果をもたらす。開業や貯金に吉
天赦日天が万物を赦す日。年に数回しかない最大級の吉日
不成就日何をしても成就しない凶日。大事なことは避けるべき
三隣亡建築に関して大凶とされる日。建前や新築工事は避ける

吉日が重なるとどうなる?

暦注においては、「吉日」が複数重なる日があります。たとえば、「天赦日」と「一粒万倍日」が同じ日に当たると、非常に強力な吉日とされ、新しい挑戦や大きな決断をするのに最適なタイミングとなります。

ただし、吉日と凶日が同時に重なる場合もあるため、どちらを重視するかは人それぞれです。たとえば、「天赦日」と「不成就日」が重なると、判断に迷うことがあります。そういったときは、目的に応じて優先順位を考えたり、専門家の意見を参考にするのも一つの方法です。


おわりに:吉日を味方にして、より良い人生を

日本には古来から続く「日取り」の知恵が数多く存在します。現代においては、科学的根拠に乏しいとされることもありますが、それでも私たちの心に安心感や前向きな気持ちをもたらしてくれるのが「吉日」や「暦注」の魅力です。人生の大切な節目に、こうした暦の知識を取り入れてみることで、よりよいスタートを切ることができるかもしれません。

日取りにこだわることは、ただの迷信ではなく、「物事を丁寧に始めよう」という心の表れとも言えるでしょう。何か新しいことを始める際、暦を一度覗いてみてはいかがでしょうか?

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